メディアは戦争にどうかかわってきたか 日露戦争から対テロ戦争まで
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メディアの有り様を考える |
メディアの有り様をまとめているものが何かないかと探して発見した
のがこの本。レビューを読むと、特に最近投稿されたものに関しては、
「小器用さだけ」など、かなり辛らつな言葉でけなされている。
しかし、「教科書になった」と満点の評価をしている人もいる。
評価の良し悪しが激しい。
そこで、どんなものかと思って実際手にとってみることにした。
最初は「メディアと戦争」という題材的に、重たく、読みにくいかと
も心配だったのだが、実際に読み始めてみると、まったくそんなことは
なかった。とても丁寧に書かれており、丹念に調べ上げられた色々な
記録からの引用も多い。記憶に新しい同時多発テロやイラク戦争なども
盛り込まれており、昔も今も、いかにメディアが色々なことを左右する
大きな力を持つか、改めて考えさせられる。
メディア利用に関する様々なかけひきも生々しく書かれている。新聞
に連載されて後に単行本化した「カラシニコフ」を対比に挙げているレ
ビューもあったが、「カラシニコフ」のように、エッセイに近いルポタ
ージュとは異なる立場で、具体的な記録を裏付け資料として客観的に書
かれているメディア論であるため、非常に説得力がありわかりやすい。
次々と興味深く読み進められる。
メディアによって変化する情勢。メディアがもたらす情報によって、
人々がコントロールされてしまう事実は脅威である。本著はそのことに
対し、マスメディア関係者に対して、より公正な報道をと、警鐘を鳴ら
しているようにも思える。
メディア史としてはもちろんのこと、近代の戦争史としても、様々な
見地から読むことができるので、勉強になる。私には確かに「教科書」
「教養書」として最適だった。関係者の間では「専門書」という扱いに
なるだろうが、メディア関係以外の人や学生にも、「教養書」としてお
すすめできる1冊であると思う。
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貴重な示唆を与えてくれた本 |
戦争を縦軸に巨視的、有機的に対象に迫り、ジャーナリズムと国家権力のあり方を検証している。私たちにとってマスメディアとは何なのか、ということにも貴重な示唆を与えてくれる。
ジャーナリストを志す学生にも、企業やお役所の広報担当者にも参考になる1冊だと思う。
私には面白く読めたし勉強になった。購読して良かったと思う。
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重大な欠落 |
この本は日露戦争から、現代のテロまで一見、要領よく述べているようにみえる。
だが、メディアと戦争の間にはナショナリズムの問題がからむ。メディアはナショナリズムの変数といえるのだが、その考察は全といっていいほどない。
単なる肩すかしの著作に過ぎない。
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目立つ小器用さ |
タイトルはもっともらしいが、本質に食い込むことなく手際よくまとめただけの印象。
上っ面だけなめて、深層への肉薄への欠如は、いかにも朝日の記者らしい。
メディアと戦争の関連に触れた本は何冊も読みはしたが、目下大切なのは、各戦争に対する事実に基づく丹念な掘り起こし作業である。総論などはまだいえぬ、というのが誠実な姿勢であであろう。大切なのは、半可通ではなく、各論を通した緻密な分析である。
日露戦争から過不足亡くイラク戦争まで書かれてはいる。でも、戦争というものの洞察が欠けているから、戦争とメディアとの関連もおざなり表面的になるのは当たり前である。
この著書には、戦争を憎む本質的なジャーナリスト精神が決定的に欠けている。メディア批判はしているが、それも突っ込みが足りぬ凡庸で、器用に流した内容に失望した。
新聞記者の割にサービス精神に欠け読みやすくもないが、教養書としてプラス2にした。
同じ朝日記者の本なら松本仁一著の『カラシニコフ』をぜひ読んで欲しい。この著書には、死にゆく名も無き庶民の愛情と理不尽さへの怒りが見事に感じられるからである。
当たり前のことだが、朝日にもいろんな記者がいるものだ。
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発見無しの著 |
ハルバースタム、アーネット、ウッドワードらの歴史的な名著をつまみぐいした過ぎない貧しい内容である。日露戦争の著述から、既視観を感じた。
ただし、読みやすくうまくまとまってはいる。でも、どうせ朝日の元記者が手がけるのなら、満州事変を契機とした自社の戦争協力を綿密に検証したほうが、よほど有益であったろうに。




