ノーベル賞10人の日本人―創造の瞬間
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サブタイトルは不要では? |
セレンディピティーに興味があるので本書を手にしてみたが、ノーベル賞受賞者の略歴の紹介、エピソードの披露が中心であった。
だからサブタイトルの「想像の瞬間」を期待してはいけない。
ただ、日本人ノーベル賞受賞者の人となりを表していておもしろい本ではある。読売新聞の記者の筆によるものでさすがに飽きさせない筆の運びだ。
この本の最後に日本の科学教育についての問題提起がなされている。ゆとり教育の歪み、博士号の大量増産。50年でノーベル賞30人というスローガンに対する警鐘はこの国の全ての人々が問題意識を持って接すべきである。
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お寒い限り |
ノーベル賞を受賞した科学者は、みな1940以前の生まれ。
最近は大学院重点化で博士が大量に生み出されているそうですが、研究者として自立できる人はごくわずかなのだそうです。
確かに日本の博士数はアメリカなどと比べると少ない。だからって、数だけ増やせばいいってもんじゃないでしょう。
アメリカは、一回社会に出てから大学院に戻って学位をとるという人が多い。
それに対して日本は、ほとんどが大学を出てそのまま大学院に進学する。
だから、学問に対する意欲が違ってくるんですね。
それがそのまま学位取得者のレベル差となって現れる。
数じゃないんだ、中身だよ。
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第一線で活躍中の新聞記者による評伝 |
この本の主役は、1949年受賞の湯川秀樹博士から、2001年受賞の野依良治博士までの10人の日本人ノーベル賞受賞者(田中さん、小柴先生は、本の刊行後の受賞なので出てこない)。
本のつくりは、読売新聞記者などによる受賞者10人の評伝、受賞者(野依氏、江崎氏、大江氏、白川氏)の講演録、そして科学ジャーナリストによるノーベル賞関係の評論、とったところ。とくに評伝は素晴らしかった。さすが第一線で活躍中の新聞記者たちが書いただけあって、とても読みやすい。受賞者から直接仕入れた「生」の情報もたくさんあってよい。
10人のうち7人が科学三賞の受賞者なので、本全体としては科学の色合いが強い(文学賞大江氏の講演も、科学がテーマだ)。
白川氏の「導電性ポリマー」の発見は、ある実験で研究生が単位をまちがえ、1000倍も濃い触媒を入れてしまったことが引き金になったという。そうした偶然を見逃さなかったこと(セレンディピティ)が、ノーベル賞につながったケースもあれば、利根川先生のようにものすごい勢いで研究を続け、ただひとりぶっちぎりで受賞したケースもある。賞を獲るまでのいきさつは千差万別だ。
ただ、おおまかな傾向を上げるならば、海外に出てからの研究がノーベル賞につながる例が少なくない。このあたりは、最後の章「世界への挑戦」で書かれている科学教育のあり方にもつながってくるだろう。
受賞者の評伝や、受賞者の生の声を読んで夢見心地になっていたところで、最後に国民の科学への関心のなさや日本の科学教育の迷走ぶりという現状を示される。気分が現(うつつ)に戻されたところで、この本は終わる。本の最後で少し重たい宿題を出されたような感じだ。
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研究者の私には、とても興味深い |
シリコン半導体の仕事をしています。福井先生、江崎先生、利根川先生、野依先生らの生い立ちやエピソードを知ることができ、とても面白い本です。1日で読み終えました。

